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リビングハウスマムの取り組み

リビングハウスマムは、平成5年に設立し来年20周年を迎えます。アルコール依存症者本人からの提案で発足し、さまざまな方々に支えられ今日を迎えられていることに、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。

 

平成18年に特定非営利活動法人(NPO法人)を取得し、平成23年4月1日には新法(旧障害者自立支援法)への移行を果たし就労継続支援B型事業所として運営を開始しました。これは、「利用者の自立を支援する」という事が今まで以上に明確になった事に加え、事業所としても自立を求められているというものです。

 

マムは、昨年1月に長年お世話になった中原から上連雀に引っ越してきました。施設としては狭くなってしまいましたが、利便性や顔の見える環境という点では、利用者が毎日安心して通える環境ではないかと嬉しく思っています。

 

マムの活動としては、公園清掃・作品製作販売を中心に行ってきましたが、昨年から都営アパートの清掃も始めました。アルコール依存症の方にとって、回復(断酒)と就労のバランスを保つことは大変難しい問題です。しかし、人として働きたいという思いも重要です。そこで、私達支援者に求められるものも多様化し、より専門的な能力も必要とされています。私達マムスタッフは、『アルコール依存症からの回復は、人間関係の回復である』という柱を軸に、利用者自身が清掃事業や作品製作販売を通して「しらふで生活する」事の意味を理解したり、問題解決の方法を学習したりできるよう支援しています。そして、今後増々多様化するであろうニーズに対応できるよう、事業の安定化と拡大を目指しています。

 

平成24年6月25日

特定非営利活動法人リビングハウスマム

理事長   横山  利廣

所長    松下 さよ子

リビングハウスマムの誕生

  • 平成5年2月    「共同作業所マム」として誕生(正式には4月1日~)
  • 平成8年4月    「リビングハウスマム」と名称を改めて再出発
  • 平成18年3月3日 「特定非営利活動法人リビングハウスマム」となる
  • 平成23年4月1日  障害者自立支援法に基づく「就労継続支援B型」事業所となる

マムの誕生は、平成4年、井の頭病院を退院された二人の患者さんが「三鷹にアルコール依存症のリハビリ施設があれば回復できるのに」と三鷹市断酒会の会長に話したのがきっかけでした。マムは都内で4番目のアルコール依存症の通所型リハビリ施設として、東京都と三鷹市の認可を受けて誕生しました。

【マム(MAM)という名前の由来】

(M) 三鷹(A)アルコール(M)マインド・メンタルという意味があります。アルコール依存症者自身が、人として当たり前に生活したり、その人なりの自立(自律)や社会復帰を目指し、酒のない生活訓練のできる場所として有意義な施設となるように、と願って名付けられました。そしてマムは、母親(mammy=mother)の愛情のような厳しさと暖かさのある施設を信条に今日まで運営して来ました。

マムの役割

  1. アルコール依存症の治療-アルコールミーティング
  2. リハビリテーション-軽作業
  3. 自立支援-作業やミーティングを通して対人関係の在り方や新しい生き方についての技術を身につける。

アルコール依存症は脳の病です。大量かつ継続的な飲酒により脳の中枢はお酒を止めてからも興奮状態にあり、断酒後中枢神経が正常に戻るのに2年ほどかかります。3か月の入院治療後もマムのようなリハビリ施設での治療的な取り組みが重要です。

 

マムのテーマ

「いっしょに生きよう。ゆっくり生きよう。」

何にでも一生懸命になるのは依存症者の長所ですが、一方で自分を犠牲にしてまでも頑張ろうとして酒に逃避してしまうという欠点もあります。マムでは、作業やレクリェーションを通して、ほどほどの大切さやメリハリのある生活を実践し、回復を目指していきます。

 

マムでのスケジュール

【開所】月~金 9:00~17:00

9:30~ ラジオ体操 朝礼
10:00~12:00 作業 (食事当番・公園清掃・チーム作業)
12:00~13:00 昼食 ・昼休み
13:00~14:45 作業(チーム作業)※水曜日のみ 13:00~13:35 業務ミーティングあり
14:45~15:00 掃除
15:00 終礼

【作業】

  • 食事当番(1/w~)
  • 公園清掃(1/w~) 
  • 作業チーム
  • 都営アパート清掃
  • 木工、陶芸、名刺、糸巻き(ヘンプ細工・ワイヤーアート)、園芸、パソコン、絵手紙・版画

【工賃】

  • 財  源:
公園清掃(H23年度は15ヶ所の公園受託)・都営アパート清掃・作品販売(マムショップ・星と風のカフェ・バザー)・模擬店での食品販売(バザー)
  • 工賃収入:
毎月月末〆 翌月5日払い

【昼食作り】

マムでは、当番制で昼食作りをします。仕出し弁当を頼んでいる作業所が多い中で、開設当初より美味しい食事を提供し続けています。スタッフと共にメニュ-を考えたり野菜を切ったりする事は、殆どの人が初体験ですが、ここでの経験はメンバーさん達の大きな自信に繋がっています。食事代は(300円/一食)工賃から支払ってもらいます。

 

【ミーティング】

  • 業務ミーティング:作業チームの活動報告・メンバー・スタッフから出される様々な議題について話し合います。(毎週水曜日 13:00~13:35)
  • アルコールミーティング:テーマを設けて、メンバー・スタッフともに意見を交わすミーティングです。(月2回程度)

マムへの入所・卒業について

入所条件

  1. アルコール依存症からの回復を目指していること
  2. アルコール専門外来に通院していること
  3. 自助グループに参加すること
  4. 受給者証の交付を受けていること

卒業条件

  1. 断酒が継続されていること        
  2. 退所後の生活プラン(自助会参加など)があり、主治医をはじめマムの職員や家族・ケースワーカーなどが退所を認めた時

強制退去

  1. 飲酒による来所が続きマムヘの通所が治療的でないと判断した時。
  2. 一か月以上無断欠勤した時。
  3. 暴言・暴力・男女のトラブルなどマムのルールを守れないとき。

マムでは、チーム連携を図るため医療機関・福祉関係者などへ活動状況を報告したり、カンファレンスを行なう事があります。

マムへの通所条件は、年齢・体力・回復の度合いなどにより個別的に決定しています。
通所ご希望の方は、利用契約書に基づくものとなりますので、詳しい内容はスタッフにお尋ね下さい。

 

アルコール依存症の回復は、「仕事が出来るようになること」ではありません。ご自分の過去を思い出してみて下さい。「社会復帰を焦ったばかりにスリップした」という経験は、一度や二度ではないでしょう。リビングハウスマムには、同じ失敗を繰り返さない為のヒントや暖かい仲間がいます。回復していくことの喜びや、新しい自分の発見を、仲間たちと語り合い分かち合ってみませんか。でも、「自分は話すのが苦手だ」「人と関わることに緊張する」「作業が上手くできるか不安だ」と思って躊躇している あなた! よ~く考えてみて下さい。それが上手く出来るのなら、あなたはアルコール依存症にはならなかったでしょう。マムの仲間は、皆、話し下手です。だからあなたの気持ちが分かるのです。 アルコール依存症からの回復は、人間関係の回復です。子供の頃から、いつも一人で頑張ってきたアルコール依存症者は、他人に助けを求めるのが苦手です。だからこそ、仲間の力を借りて楽になることを体験しましょう。また、マムには、心のこと身体のこと生活のことなど日常生活で困った時に相談できるスタッフがいます。経験豊富で優しいスタッフがいつもメンバーさん達を見守っています。

何はともあれ、まず一度美味しいご飯を食べに来ませんか?

お待ちしています。

リビングハウスマム

スタッフ一同